Meet the Experts4/Moral distress ─ 映画“Just Keep Breathing” ─

日時: 3月2日(土)17:15
会場:第11会場(国立京都国際会館1F Room C-2)
演者:Daniel Garros(University of Alberta Stollery Children’s Hospital, Canada)
   *同時通訳はありません。

 

皆さん、今までに以下のようなことを感じたことはないだろうか?
私はいったいこの患者に何をしているのだろう?
この患者に間違った治療を施していないだろうか?
われわれはここで何をしているんだ?
この患者の「命」を延ばしているのだろうか、あるいは苦しみを与え続けているだけなのだろうか?
なぜ他のメンバーは私に反対するのだろう?
─ こんなときあなたは道徳的苦痛(モラルディストレス)を経験しているのです。

 

「Just Keep Breathing」は実際にPICU(小児集中治療室)で日々忙しく働く医師、看護師、呼吸療法士、栄養士から聞き取った数々の実話を元に作った映画です。2007年から5年間CIHR (Canadian Institutes of Health Research)からの助成を受け、カナダの8つのPICUで行われた道徳的苦痛に関する研究の一環として作成されました。
集中治療で働いていると、患者あるいは親からの同意取得、無意味と思えるようなケア、延命医療、患者やその家族の生活の質などについての倫理的な問題に日々遭遇するのではないでしょうか。このような時、倫理的な問題があることを指摘し解決しようとする努力を怠ると、チーム医療は音を立てて崩れ落ちることになります。道徳的苦痛が解決されずに放置されると、悲惨な結果が待っているのです。つまり、このことをチーム内で理解しあい解決策を探ることが非常に重要なのです。
この映画は、多職種チームにおける同情、献身も描いています。多忙極めるPICUでの診療の中で、「見えないところ」にあるもの、つまりチームワークや各専門家としての個人個人の意見がどのようにこの事象に影響を与えているのかについても描いています。
「Just Keep Breathing」は集中治療領域において学際的(interdisciplinary)チームワークや健全な仕事環境を達成維持するために必要であろう「対話」や「理解」を促進することを目的に作成されました。専門性が極めて高いPICUの医療従事者の不必要な離職を防ぎ、ひいては重症患者あるいはその家族により良いケアを提供することにつながることを祈っています。